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テクニカル分析は何を分析しているのか

皆さんはテクニカル分析をどの様に活用しておられるでしょうか。「ゴールデンクロスが発生したら買い」「デッドクロスが発生したら売り」といった様に一般的なトレードシグナルでトレードしておられる方が珍しくないでしょう。しかし訳も分からずただ一般的に有効だとされているやり方で順調に勝ち続けられる程FXの世界は甘くありません。本当にそのやり方で勝ち続けられるのであれば誰もが少しの勉強で大儲け出来てしまいます。実際はそうはなっておりません。今回はテクニカル分析は何を分析しているのかと、どのように考えて分析すれば良いのかをお伝えします。

 

 

【レート変動の仕組み】

FXは買い注文が入るとレートが上がる、売り注文が入るとレートが下がるという仕組みです。これはFXのレート変動の仕組みが根底から覆る事でも無い限りは変わりません。ならば為替取引参加者達が何処で買ってくるのか、若しくは何処で売ってくるのかが分かればその流れに乗ればFXは勝てるという事です。トレードしているのは人です。AIも人の考えを基に作られたやり方でトレードしています。つまりレートやチャートを見て大多数のFXトレーダー達がどう感じるかを知る事がテクニカル分析を行う上で欠かせません

【分析しているのは人の感情】

後天的に生じた特徴は人それぞれですが、人の先天的特徴には共通点があります。FXトレーダーが注目すべきは人間全般に共通する心理面の先天的特徴です。

人の心理には以下の共通点があります。

①ケチである

②長く待つ事が苦手

③過去に経験した事と同じ事を繰り返す

④自分の非を認めるのを拒む

⑤失う事を過度に恐れる

⑥追いつめられると多大なリスクをとる

上記の6つの共通点が多かれ少なかれFXトレーダー全員に共通するとしたらどうなるでしょうか。ある程度のランダム要素は含みますが、レートの変動の推移に一定の法則性が生じます。ランダム要素があるので、絶対ではなく確率で考えて「ランダム要素が低い高確率で発生する再現性の高い値動きを捉える」事がテクニカル分析を活用するポイントとなります。予想が外れて確度が下がった場合は潔く損切りする事も重要です。上記の6つの共通点がFXのレート変動にどう影響するか解説します。ひとつずつ見ていきましょう。

【①ケチである】

なるべく安く買いたい、高く売りたいと考えます。特筆すべき事は、以前自分が買った時より安く買いたい、以前自分が売った時より高く売りたいという心理が働き、ここから上がるのか下がるのかを合理的に吟味するより感情で決定を下しがちであるという事です。これが安値圏では買いポジションが溜まり易く、高値圏では売りポジションが溜まり易い原因です。

【②長く待つ事が苦手】

FXには自分のトレード手法が機能し易い時と、機能しづらい時があります。常にチャンスという訳ではないのです。どんな達人にも手を出さずに様子見すべき時があります。しかし、長く待つのが苦手な人はチャンスではない時にもポジションをとってしまいます。これがどんなレートでもある程度ポジションを持つ人がいて、そのレートから乖離するとポジションが溜まる原因です。

【③過去に経験した事と同じ事を繰り返す】

人は同じ事を繰り返す事によって安定を求めます。そのやり方でいつも上手くいっていれば良いとしても、上手くいかない事もあります。不思議な事に、人は上手くいっていない場合でも同じ事を繰り返すのです。上手くいっていない事を自覚していてもです。これがテクニカル分析に再現性が生じる原因です。

【④自分の非を認めるのを拒む】

明らかに間違ったタイミングでエントリーしたのに早期に負けを認めず、含み損を握ってしまう。損切りするどころかポジションを同じ方向で追加する。レートが最初にエントリーした方向へ戻る根拠がある訳ではないのに。これをやってしまう人は非常に多いのではないでしょうか。単なる無知ではなく「損したくない!」「私は悪くない!」という感情が合理的な判断の邪魔をしてしまっているのです。自分の非を認めるのを拒む感情がかえって自分の非を露呈する結果となってしまいます。これが含み益より含み損のポジションが溜まり易い原因です。

【⑤失う事を過度に恐れる】

人は一度得た利益や権利が脅かされる状況になると、我先に取り敢えず目先の自分の安全を確保しようと行動するものです。大きく儲けようとするより、とにかく今持っているものを失いたくないという恐怖の感情で行動します。普段はものぐさな人でもこういう時はやたら早く行動します。これが早過ぎる利食いを行ってしまって含み益を伸ばせない原因であり、含み益のポジションが溜まり難い原因でもあります。

【⑥追いつめられると多大なリスクをとる】

損失が発生すると、それを何としてでも取り戻したいという感情が芽生えます。利益を確保出来ていた時とは逆で、恐怖よりも強欲の感情が強くなります。損失を負う前では恐ろしくて出来なかった「一気に大量のポジションを入れる」「難平しまくってポジション数量を急速に膨れ上がらせる」といった行動にでます。これがポジションの偏りが大きくなる原因となります。

 

 

【①~⑥のまとめ】

上記の①~⑥をまとめますと、以下の内容となります。

緻密な分析に基づいてよりも感情が先走って行動しがちであり、安値圏では積極的に買い、高値圏では積極的に売り。含み益は素早く利食い。利食いの際のポジション数量は少ない。含み損の損切りは遅い。損切りの際のポジション数量は多い。これらの行動を繰り返す。

以上の事から言える事は、FX参加者の買いと売りのポジション比率には偏りが生じ易く、偏ってる側のポジションを持っているトレーダーは含み損になっている事が多いという事です。現在の買いポジションは将来の売り、現在の売りポジションは将来の買いです。FXには強制ロスカットというシステムがある事や、含み損が一向に解消されず、寧ろ増えていくのを見るのは大変大きなストレスです。つまりいずれは含み損に耐えれずに損切りする時が来ます。耐えに耐えたポジションの損切りはポジション数量が非常に多くなっている事が珍しくありません。大量のポジションを損切するとなると、その分レートの変動幅は大きくなります。ポジションの偏りが大きい時に大量のポジションを損切してレートを大きく動かすと、含み損を保有して苦しんでいる他のトレーダーも損切りせざるを得ない状態になり易くなります。すると更に大きくレートが変動します。これが連鎖的に起きる事によって暴落や暴騰が発生するのです。暴落や暴騰が発生してポジションの偏りが解消されている最中に順張りをするのが高確率で大きく儲けるコツです。暴落や暴騰後に動きが鈍ったり、大きく反転した場合はポジションの偏りが解消され終えた可能性が高いです。解消され終えたのであれば解消前の順張りでとったポジションは決済しておきましょう。短期的であればこのタイミングでの逆張りも成功し易いと言えます。ポジションの偏りについては以下の記事で詳しく解説しております。

ポジションの偏りを把握しよう - テツリュウトレーディング

つまりテクニカル分析とは、FX参加者が何処で何を考えて新規で買うのか、又は売るのか、どうなったら利食いをするのか、どうなったら損切をするのか、現在ポジションは買いと売りどちらに偏っているのか、ここからレートが上がった場合と下がった場合どちらが大多数のFXトレーダーにとって苦しいのか。以上の点をFX参加者の心理面から考察して、再現性の高い法則をチャートやテクニカル指標を活用して探る。これがテクニカル分析です。以下で【買いたいと感じる時】と【売りたいと感じる時】のポイントをお伝えします。

【買いたいと感じる時】

誰もが買うのであれば安く買いたいと考えます。FXに限らず全く同じ物を買う時に特別事情が無い限りは敢えて高く買いたいと思う方はいないでしょう。親友が経営しているお店を応援する意味で、そのお店の商品の値段が他のお店より高くても買ってあげるという人はいても、FXで自国を応援する意味で明らかに割高であると判断出来るレートで自国通貨を買いたいと思う方はいないでしょう。通貨価値は必ずしも高ければ良いという訳ではありません。高過ぎると貿易が上手くいかない等の問題が生じます。つまりレートが割安の時が買いが集中し易い時であると意識するべきです。無論単純にレートが割安でありさえすれば迷わず即買うべきという訳ではありません。以下のポイントを把握した上で買いのタイミングを見極めましょう。

【①順調に上がり続けている時】

「レジスタンスラインを上抜けしてブレイクアウトが発生した!下降トレンドが終わって上昇トレンドへと転換したようだ。よし、ここで買いだ!」という感じで元気良く買ったら殆ど上がらず含み損が酷い事に・・・という状態になった人は結構おられるのではないでしょか。トレンドが転換する瞬間に立ち会えるのは非常に稀です。トレンドが転換した様に見えても実際は転換していない事が多いのです。明確なトレンドが確認出来る時はピンポイントで反転するタイミングを当てようとするよりもトレンドフォローの方が勝率は高まります。順調に上がり続けている上昇トレンドの時に買いましょう。

【②暴落後に下げ渋った時】

含み益のポジションより含み損のポジションの方が溜まり易い傾向があります。これはつまり利食いによるレート変動より損切によるレート変動の方が大きいという事です。レート変動の幅が大きければ大きい程、多くのトレーダーの損切りを巻き込み易く、大量の損切りが発生すると一気にポジションの偏りが解消されます。下がりに下がって買いポジションの総量が激減すると、その状態から売っても、買いにポジションが偏っていた時程「買いポジションの損切によるレートの下落」が発生しないので、その状態から更に大きく売りを仕掛けてくる可能性は低いのです。寧ろ売っていたトレーダーの利食いによりレートが上がり易いと言える場面です。

【③過去に大底となったレート】

このレートこそ正に多くのトレーダーが「買うのであればここだ!」と強く意識しているレートです。ぴったり大底のレートになるまで待ってから買っても良いですが、買い損ねない様に大底より少し高いレートで買われる事が多く、結局大底のレートに到達せずに反転上昇する事があります。買い損ねた場合、上昇が長く続かず再び大底のレートまで下がって行く展開になれば良いですが、押し目をつけずにどんどん上がって行ってしまうと買わなかった事を激しく後悔する事になるでしょう。そうならない様にまずは少額で大底より少し高いレートで買って、そこから大底となったレートに到達したら買い増しするというのがお勧めです。くれぐれも「ここが底だと信じて一気に全力買い」をしない様にしましょう。下落が止まらないと地獄絵図となってしまい兼ねません。

【④過去に何度も反転しているレート】

安値圏での買いのタイミングとして注目しているトレーダーが多いレート程実際に買われ易いです。少数の凄腕トレーダーしか気付かない分かり難い高値圏の買いのタイミングよりも、分かり易く且つ【ここで買えたらおいしいと感じる割安レート】の買いのタイミングの方が買いが集中します。特に多くの時間軸で見て同じレートで反転している場合は確度が高いです。

注意点として、多くの個人投資家は利食いが早過ぎる程早く、損切りは遅い、若しくは出来ないという傾向がある事です。分かり易い買いのタイミング程、買いポジションを保有している個人投資家の割合が高い事が多いので、利益確定の売りに押されて上値が重くなる前に素早く利食いましょう。利食い損ねて下抜けした場合は買いポジションで含み損になっている人が大量に高値で取り残される事になるので、益々上値が重くなり、含み損が一向に解消されないという事態になり兼ねません。下抜けした場合は即座に損切する事を推奨します。

【⑤有名なテクニカル指標で一般的に買いだとされているサインが出た時】

誰が何と言おうが買う人がいないとレートは上がりません。大多数のFXトレーダーが「ここで買いだ!」と判断して実際に買うタイミングこそが買うべきタイミングなのです。どれだけ上手く買うべき根拠を説明出来たとしても、その人と同じ、若しくは類似した分析手法を誰も用いていないのであればその買うべき根拠は機能しません。マニアックなテクニカル指標を多数組み合わせて複雑な手法を用いるのではなく、誰もが知っている有名なテクニカル指標を単純な使い方で用いた方がテクニカル分析は機能します。分析に使用するテクニカル指標は有名で利用者が多いものを選びましょう。他のトレーダーの裏をかきたいのであれば誰も見ていないものを見て裏をかこうとするのではなく、寧ろ誰もが見ているものを見て裏をかく方が現実的です。

【売りたいと感じる時】

基本的な考え方は売りと買いが逆になるだけで【買いたいと感じる時】と同じです。レートが割高の時が売りが集中し易い時であると意識しておきましょう。【買いたいと感じる時】でご紹介した5つのポイントも把握しておきましょう。但し、売りと買いのポジションが逆になると、スワップポイントがプラスになるかマイナスになるかが逆転する点には留意しておきましょう。心理的にプラススワップの方がエントリーし易く、含み損が放置され易い傾向があります。これはつまりラススワップの側にポジションが偏り易いという事です。ポジションの偏りはテクニカル分析を行う上で欠かせない要素ですので必ず把握しましょう。

以上の事を意識してテクニカル分析を行えば、明確な根拠を持ってトレードする事が出来ます。この記事の読者の方々に少しでもご参考にして頂ければ幸いです。

 

 

 #この記事は筆者(tetsuryu)の独自解釈であり内容の正確性を保証するものではありません。