【ガンマトレードとは】
ガンマトレードとは、ガンマプレイとも呼び、オプション取引のオプションレートを上回ったら売り、下回ったら買いをオプションの権利行使期限まで行う事です。
オプション取引とは、予め決められた期限までに指定された通貨ペアを指定されたレートで買う権利、又は売る権利行使して取引する事です。この指定されたレートを「オプションレート」と呼びます。予め決められた期限の事を「カットオフタイム」と呼びます。
【オプションレートの特性】
【カットオフタイムまではオプションレートに引き寄せられる】
買い手と売り手がお互い自分の都合の悪い方向へオプションレートからリアルタイムレートが乖離しない様に不利なレートになると必死にオプションレートへ近づく方向へ注文を出して来るので、リアルタイムレートがオプションレートに引き寄せられるという特性があります。これがオプションレートを上回ったら売り、下回ったら買いが有効とされている理由です。オプションレート付近のレートにカットオフタイムまでポジションが蓄積し易い傾向があります。
【値動きの頻度が多くなる】
買い手から見ればリアルタイムレートがオプションレートより高い方が都合が良く、売り手から見ればリアルタイムレートがオプションレートより低い方が都合が良い為、それぞれが自分の都合の良い方向へ動かそうと盛んに注文を出して来ます。これがオプションレート付近で値動きの頻度が多くなる理由です。
【例】
オプションレートが133.5、リアルタイムレートが133.6だとしますと買い手は10銭得するレート買えるので都合が良いですが、売り手からすると10銭損するレートで売らされるので「そうはさせるか!」と言わんばかりに133.5を下回る様に売りを浴びせて来ます。この様な熾烈な売り買いの攻防により値動きの頻度が多くなります。
カットオフタイムを過ぎるまではオプションレートから乖離し難いので、一気に大きな値幅を利食いしようとするよりも値動きの頻度の多さに注目してスキャルピングでこまめに利食いする方がお勧めです。オプションレートから乖離し難いが故に逆張りが比較的成功し易い状況と言えます。
【カットオフタイムを過ぎるとオプションレートから乖離する】
カットオフタイムを過ぎると、オプションレートを意識してトレードを行う優位性が消滅する為、オプションレート付近のレートに蓄積していたポジションが決済され易くなります。これが【カットオフタイムを過ぎるとオプションレートから乖離する】要因です。基本的に上昇トレンドであれば売りポジションの決済により上方向へ乖離、下降トレンドであれば買いポジションの決済により下方向へ乖離となります。つまりカットオフタイムを過ぎたら乖離した方向へ順張りでエントリーすると含み益が速やかに増加する可能性が高いと言えます。
【NYOPカット(ニューヨークオプションカット)】
ガンマトレードを行う上で重要な事はオプション取引の規模です。取引規模が大きい程【オプションレートの特性】が顕著に表れます。FXに於いて最も規模が大きいオプション取引はNYOPカット(ニューヨークオプションカット)です。
NYOPカットは日本時間の午前0時(夏時間は23時)までを期限としたオプション取引です。
#アメリカの夏時間 3月の第2日曜日~11月の第1日曜日
【ガンマトレードに適した通貨ペア】
流動性が高く、オプション取引の規模が大きくなり易い通貨ペアがお勧めです。具体的にはドル円とユーロドルです。何故ドル円とユーロドルがお勧めなのかを列挙します。
【トレードチャンスが多い】
ドル円とユーロドルはどちらも世界三大通貨同士の通貨ペアであり、非常に値動きの頻度が多くトレードチャンスが多い通貨ペアです。
【テクニカル分析が機能し易い】
取引量が非常に多いドルストレートであるが故に他の通貨ペアの取引に引っ張られる形で動くのではなく、直接取引されるのでテクニカル分析が機能し易いというメリットがあります。
取引量が少ないドルストレート以外の場合は、例えば豪ドル円が下落している場合は、豪ドル円を売ったと言うよりもドル円の売りや豪ドルドルの売りが出た事によって豪ドル円が下落したという事です。豪ドル円のチャートでヘッドアンドショルダーが出現してネックラインを割り込んだ瞬間であっても、その時のドル円や豪ドルドルのチャートが買い優勢だとしたら殆ど下がらず寧ろ上がるという事も珍しくありません。その点ドル円とユーロドルは世界中のトレーダーに非常に注目されていて直接取引されるが故に素直にテクニカル分析の定石通りの動きとなり易いのです。
【情報収集が比較的容易】
情報収集が比較的容易でありオプション取引以外のレート変動要因を把握し易く、収集した情報とガンマトレードを併用して優位性の高いトレードを行う事が出来ます。
例えば売り材料が乏しく買い材料が強力であると判断した場合は、「オプションレートを上回ったら売り」は避けて「下回ったら買い」を積極的に行いつつ、オプションレートを上回った後にオプションレートに向かって下落するも下回る事無く上昇した場合は、下回る事を期待して売ったトレーダーは利食い損ねて売りポジションを決済出来ていない可能性が高く、それに対して買い手は利食い易いので決済出来ている可能性が高いので、ポジションが売りに偏っていると判断してカットオフタイム後の上方向への急速な乖離が高確率で起きると考え、高値圏でも積極的に買うという戦略を立てる事が出来ます。
【まとめ】
ガンマトレードとは、オプションレートを上回ったら売り、下回ったら買い。
意識すべきオプション取引は日本時間の午前0時(夏時間は23時)までを期限としたNYオプションカット。
ガンマトレードに適した通貨ペアはドル円とユーロドル。
オプションレート付近では逆張りスキャルピングが有効。
カットオフタイム後は順張りでエントリー。
#この記事は筆者(tetsuryu)の独自解釈であり内容の正確性を保証するものではありません。