テツリュウトレーディング

FX・CFDで勝つ為に必要なものはここにあり!

FXは何故薄商いでトレードすべきではないのか FXトレードに最適な時間帯と注意点

FXトレードを行う際は薄商いを避けるべきです。そもそも薄商いとは何か、何故避けるべきなのか、どうすれば避けれるかを解説します。

 

 

 

【薄商いとは何か?】

取引量が少なく、レートの変動頻度が少ない状態の事です。

レートの変動幅が小さい状態が長く続き易い一方で、少量売買でもレートが大きく動き易い傾向があります。

【薄商いでトレードするのが不利な理由】

【スプレッドの拡大・スリッページの増加】

FX業者はカバー先金融機関からレートの提示を受けてそのレートを元にトレーダーにレートを配信しています。基本的に1社のみから受けた1つのレートをそのまま配信している訳ではありません。複数のカバー先金融機関から沢山のレートの提示を受けてそれらのレートを組み合わせる事で狭いスプレッドを実現しています。取引量が少ない時程受けれるレートの数が少なくなります。するとどうなるかを以下に例を挙げて説明します。

【例】FX業者はドル円のレートとスプレッドを決めるにあたってカバー先金融機関から以下の4つのレートの提示を受けていたとします。

①【ASK:110.065 BIT:110.051】②【ASK:110.052 BIT:110.036】③【ASK:110.053 BIT:110.040】④【ASK:110.061 BIT:110.050】

上記の場合ですと②の【ASK:110.052】と①の【BIT:110.051】を採用すればドル円のレートを【ASK:110.052 BIT:110.051】とする事が出来ます。この場合ですとスプレッドは0.1銭です。

しかし薄商いの為、レートを【ASK:110.053 BIT:110.040】の1つしか受けれていないとしたら複数のレートを組み合わせて狭いスプレッドを配信する事が出来なくなります。この場合ですとスプレッドは1.3銭です。

薄商いが続くと現在配信しているレートだけでなく、その直後に配信する為のカバー先金融機関からのレートの提示も少なくなるので、現在配信しているレートと直後に配信するレートに乖離が生じ易くなります。これがスリッページが酷くなる原因となります。

例えば現在配信しているレートが【ASK:110.053 BIT:110.040】で、買いポジションの逆指値を【110.039】に設定していたとします。直後のレートが【ASK:110.052 BIT:110.039】だとしたらスリッページは発生しませんが、FX業者が提示を受けているレートが少ないが故に【ASK:110.052 BIT:110.039】を作る事が出来ず、一番近いレートでも【ASK:110.041 BIT:110.028】だとしたら逆指値は【110.028】で約定して1.1銭滑る事となります。

上記の理由で薄商いだとスプレッドが拡大し易く、スリッページの発生頻度が増加し易く、スリッページの値幅も大きくなりがちとなるのです。

【テクニカル分析・ファンダメンタルズ分析がまともに機能しない】

明確な取引材料がある中で順当にレートが変動するのであれば良いのですが、薄商いだと何の材料も無い中で唐突にあらぬ方向へレートが急変動する事があります。これは薄商いは少量売買でもレートが大きく動き易いという特徴があるからです。

為替レートは「買い注文が入るとレートが上がる、売り注文が入るとレートが下がる。」という性質を持っています。

取引量が多い時であれば様々なレートで注文が出されています。その為、少し下がっただけでも待ち構えていた大量の買い注文により下落を打ち消されて簡単には急落しません。大量の買い注文が待ち構えている中で急落させたいのであれば途轍もない規模の売りが必要になります。これと言った売り材料が無く、しかも大量の買い注文が待ち構えている可能性が高い中で途轍もない規模の売り注文を出すというハイリスクを負うのは分の悪いギャンブルとなりますので、FXの過酷さをわきまえている大口投資家程そのような行為は避けます。

その点、薄商いだと下がった所で買いたい需要が少なく、小規模の買い注文では下落を打ち消しきれずに急落を止めれないという事態になり易いのです。所謂「オーダーがスカスカ」という状態です。少々乱暴な言い方となってしまいますが、要するに薄商いの時は特に根拠無く適当に少量の注文(大口にとっては少量)を出してもそれなりにレートを変動させる事が出来てしまうので、本来ならば上手く機能し易い筈の明確な根拠を持った上でのテクニカル分析・ファンダメンタルズ分析がまともに機能せず、割高の取引手数料(スプレッド・スリッページ)を払いつつ単純に上がるか下がるかの2択に賭けるだけの分の悪いギャンブル同然になり易いという事です。

 

【薄商いを避ける方法】

【主要な取引所が開場している時間帯を選ぶ】

この記事での時間の表記は全て日本時間です。

FXの取引時間は固定ではなく、時間は目安です。

下記の時期が夏時間、下記以外の時期は冬時間となります。

欧州の夏時間 3月最終日曜日~10月最終日曜日

アメリカの夏時間 3月の第2日曜日~11月の第1日曜日

 

薄商いを避ける為に重要な事は具体的にどの時間帯が取引量が多くなる傾向があるのかを知り、その時間帯のみでトレードする事です。

夏時間は【21:00~1:00】冬時間は【22:00~2:00】が最も取引量が多くなり易い時間帯です。

上記の時間帯は世界最大規模の取引量を誇るイギリスの取引所が開場している時間帯と、世界の基軸通貨を発行している国であるアメリカの取引所が開場している時間帯が重なる時間帯です。

多少の注文での不意打ち的なレートの急変動が起き難く、急変動した時は明確な根拠がある場合が多く順張りメインでのテクニカル分析・ファンダメンタルズ分析が機能し易い傾向があります。

為替レートに多大な影響を及ぼす事が多い重要度の高い経済指標の発表や要人発言が多く、ファンダメンタルズ分析を行う上での手掛かりを把握し易いという利点もあります。但し、重要度の高い経済指標発表時のトレードを避けましょう。この事は次の項目で詳しく説明します。

つまり夏時間【21:00~1:00】冬時間【22:00~2:00】はテクニカル分析とファンダメンタルズ分析の両方が上手く機能し易い手堅い勝負が出来る時間帯として最もお勧めです。

他にも明確な根拠を持ってトレード出来る時間帯が存在します。詳しくは以下の記事をご覧ください。

https://tetsuryu.com/entry/2021/08/22/205414

【重要度の高い経済指標発表時のトレードを避ける】

厳密には薄商いを避けるというよりはスプレッドの拡大・スリッページの増加・トレンドの方向性の不明瞭を避けるという内容ですが、薄商いを避けるべき理由もこの3点ですので、この記事で合わせて解説します。

何故重要度の高い経済指標発表時にスプレッドが広がるのかをご説明します。

FXは「売ってくれる人がいるから買える、買ってくれる人がいるから売れる」という取引です。その為、自分の注文が約定したという事は自分以外の誰かの反対注文が同じ取引数量で約定したという事です。

【例】Aさんがドル円を133.5で100万通貨の買い注文を出したとします。その注文を受けた金融機関B社側から見ればドル円を133.5で100万通貨の売りポジションを持ったという事になります。

重要度の高い経済指標発表時はその結果によって急激にレートが動く事がよくあります。上記の【例】の場合ですと、B社は何処かで売ったポジションを決済する必要がある訳ですが、もし急激にレートが上昇する直前で大量の売りポジションを持たされたとなると短時間で大損失を負わされる事になります。当然B社としては大損失を回避したい所です。その為、損失軽減手段としてスプレッドを広げるのです。

経済指標の結果は専門家でも予測が難しく、サプライズによって想定外の動きをするリスクがありますので、大口がリスクを避ける為にオーダーをキャンセルした事によってカバー先金融機関が提示出来るレートが減少してFX業者が狭いスプレッドを実現する為のASKレートとBITレートの組み合わせを作れなくなり、そのFX業者を利用しているトレーダーに配信するスプレッドを広げざるを得ないという事情もあります。提示出来るレートが減少するという事はスプレッドの拡大だけでなく、スリッページが酷くなり易いというリスクもあります。

重要度が特に高い経済指標をご紹介します。夏時間【21:00~1:00】冬時間【22:00~2:00】に発表される経済指標のみ記載しております。

 

【アメリカの経済指標】

ADP雇用統計

非農業部門雇用者数変化

失業率

平均時給

ISM製造業景況感指数

消費者物価指数(CPI)

生産者物価指数(PPI)

個人消費支出(PCE)

国内総生産(GDP)

【ユーロの経済指標】

ECB政策金利

ECB総裁定例記者会見

 

上記の経済指標が発表される数分前までにはなるべくポジションを決済しておき、IFO注文等の新規注文を含む予約注文は取り消しておく事をお勧めします。新規注文はスプレッドの変動が落ち着き、明確なトレンドの方向性が視覚化されてからにしましょう。

要人発言もチェックしておきましょう。重要度の高い経済指標発表と比べるとスプレッドの拡大・スリッページの増加は軽微である事が多いですが、トレンドの方向性が変わる事があります。

【取引量が低下する時期を避ける】

普段は取引量が多い時間帯であっても、時期によっては薄商いとなる場合があります。

代表的なものとしては【クリスマスシーズン】【年末年始】【ゴールデンウィーク】があります。これらの時期以外であっても祝日は取引所が休場となり取引量が低下します。具体的に何月何日が祝日なのか暗記しなくても、証券会社等が公開している経済指標カレンダーを見れば、どの国がいつ休場であるかを確認する事が出来ます。

特に確認しておくべき国はイギリスとアメリカです。

イギリスは夏時間【16:00~1:00】冬時間【7:00~2:00】が取引所が開場している時間の目安です。

アメリカは夏時間【21:00~6:00】冬時間【22:00~7:00】が取引所が開場している時間の目安です。

日本時間の午前中にトレードされる方は日本・シンガポール・香港・オーストラリアの取引所が開場しているかどうかも確認しておきましょう。

【まとめ】

薄商いとは取引量が少なく、レートの変動頻度が少ない状態。

【薄商いのデメリット】

①スプレッドが拡大し易く、スリッページの発生頻度が増加し易く、スリッページの値幅も大きくなりがち。

②テクニカル分析・ファンダメンタルズ分析が機能し難い。

①・②の理由から薄商いでのトレードは避けるべき。

【薄商いを避ける方法】

①取引量の多い取引所が開いている時間帯のみでトレードする。具体的には夏時間は【21:00~1:00】冬時間は【22:00~2:00】が最もお勧め。

②重要度の高い経済指標発表時のトレードは避ける。

③取引量が低下する時期である【クリスマスシーズン】【年末年始】【ゴールデンウィーク】でのトレードを控える。各国の取引所が開場しているかどうかも要チェック。特にイギリスとアメリカ。

 

 

 #この記事は筆者(tetsuryu)の独自解釈であり内容の正確性を保証するものではありません。