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FXでモンテカルロ法を使う

直近の勝敗に応じてポジションサイズを調整する事で「利食い回数」「損切り回数」「利食い幅」「損切り幅」が全て同じでもリスクの拡大を抑えつつトータル損益がプラスになる手法をお伝えします。今回の記事で紹介する取引手法はモンテカルロ法です。

 

 

 

 

 

【モンテカルロ法とは】

例えば「ドル円」で10回トレードして

利食い5回 利食い幅10銭

損切り5回 損切り幅10銭

上記の結果ですと、一見するとトータル損益が±0である様に思えます。しかし巧みにポジションサイズを調整する事でリスクの拡大を抑えつつトータル損益をプラスにする事が可能です。それがモンテカルロ法です。

【モンテカルロ法のやり方】

【ポジションサイズの決定方法】

連続した自然数を並べて両端の数値を合計した数値を1回のエントリーのポジションサイズとします。連続した自然数を並べた数値の事をこの記事では「数列」と呼びます。

【例】

数列が「1・2・3」の場合は両端の数値である1と3を合計して1+3で4を1回のエントリーのポジションサイズとします。この記事では4を4万通貨とします。

【ポジションサイズの調整方法 損切りした場合】

損切りした場合は右端の数値より1大きい数値を右端に1つ追加します。

【例】

数列が「1・2・3」の状態でトレードして損切りした場合は3の次に4を追加して次回のトレードは「1・2・3・4」を使用します。

【ポジションサイズの調整方法 利食いした場合】

利食いした場合は両端の数値を1つずつ消します。

【例】

数列が「1・2・3・4」の状態でトレードして利食いした場合は1と4を消して次回のトレードは「2・3」を使用します。

この時、数列の数値が1つしか残らない場合は次回のトレードではその数値をエントリーのポジションサイズとして使用します。

【数列の数値を全て消すまでが1セット】

数列の数値を全て消したらそこで終了です。「取引通貨ペア」・「利食い幅」・「損切り幅」が常に同じであれば取引手数料(スプレッド・スリッページ・スワップポイントなど)を除けば数列の数値を全て消した時点でトータル損益が必ずプラスになります。これがモンテカルロ法の特徴です。

【モンテカルロ法の実践例】

では本当にトータル損益がプラスになるのかをいくつかの例を挙げてお見せします。「ドル円」でのトレードです。

【例1 「1・2・3」でスタート。決済値幅10銭】

1回目 ポジションサイズ:4 損切り -4000円 次回「1・2・3・4」

2回目 ポジションサイズ:5 利食い +5000円 次回「2・3」

3回目 ポジションサイズ:5 損切り -5000円 次回「2・3・4」 

4回目 ポジションサイズ:6 損切り -6000円 次回「2・3・4・5」

5回目 ポジションサイズ:7 利食い +7000円 次回「3・4」 

6回目 ポジションサイズ:7 利食い +7000円 終了

 

実際に無作為にコインを投げて表が出たら買い、裏が出たら売りでやってみました。

3勝3敗で全て同じ決済値幅10銭ですがトータル損益は±0ではなく+4000円です。

 

【例2 「1・2・3・4」でスタート。決済値幅20銭】

1回目 ポジションサイズ:5 

損切り -10000円 

次回「1・2・3・4・5」

2回目  ポジションサイズ:6 

損切り -12000円 

次回「1・2・3・4・5・6」

3回目  ポジションサイズ:7

損切り -14000円 

次回「1・2・3・4・5・6・7」

4回目  ポジションサイズ:8 

損切り -16000円 

次回「1・2・3・4・5・6・7・8」

5回目  ポジションサイズ:9

利食い +18000円

次回「2・3・4・5・6・7」 

6回目  ポジションサイズ:9

利食い +18000円

次回「3・4・5・6」

7回目  ポジションサイズ:9

利食い +18000円

次回「4・5」

8回目  ポジションサイズ:9

利食い +18000円

終了

 

連敗から連勝が続いたパターンです。

4勝4敗で全て同じ決済値幅20銭ですがトータル損益は±0ではなく+20000円となっております。

 

【例3 「2・3・4」でスタート。決済値幅30銭】

1回目 ポジションサイズ:6

損切り -18000円

次回「2・3・4・5」

2回目 ポジションサイズ:7

利食い +21000円

次回「3・4」

3回目 ポジションサイズ:7

損切り -21000円

次回「3・4・5」

4回目 ポジションサイズ:8

利食い +24000円

次回「4」

5回目 ポジションサイズ:4

損切り -12000円

次回「4・5」

6回目 ポジションサイズ:9

利食い +27000円

終了

 

損切りと利食いが交互に発生したパターンです。

3勝3敗で全て同じ決済値幅30銭ですがトータル損益は±0ではなく+21000円です。

 

 

 

いずれの場合でも以下の3つの共通点があります。

「1セット終了時点で、最初のポジションサイズで利食い出来た場合に獲得出来る利益以上の金額の利益が残った状態で終了となります。(取引手数料は除く)マイナスで終わる事はありません。

「負けても次回のポジションサイズの増加が緩やか。つまりリスクの拡大が小さい。

勝ちと負けの回数が同じでもトータル損益がプラス。FXの値動きは上がるか下がるかの2択なので、単純な確率50%に賭ける運任せでも資産が増えて行きます。」

以上の点から、それこそ何も考えずにコイントスで表が出たら買い、裏が出たら売り。決済の指値と逆指値の値幅を同じに設定して放置。これでもトータル損益では勝てます。

実際にトレードする際はスプレッドが発生します。スリッページが発生する事もあります。ポジションを翌営業日以降に持ち越せばスワップも発生します。しかし逆に言えばそれ以外に失うものは何もありません。(FX業者によっては他にも取引手数料を要求する事もありますが、一般的な日本のFX業者ならば他の取引手数料はありません。)

高い約定力と狭いスプレッドを両立しているFX業者を選べば取引手数料分の損失を補填する為の最低限の分析を行うだけで手堅く資産を増やせます。

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【使用上の注意点】

FXに100%勝てる手法は存在しません。どれだけ有効な手法を使用しても運が悪いとどうしても連敗が続く事があります。

モンテカルロ法は損切りすると次回の取引時のポジションサイズが増加します。無限にポジションサイズの増加に耐える事は不可能であり、ポジションサイズが大きい程1回の損切りで失う金額は大きくなります。

最大損失金額を決めて、決めた損失額に到達したら数列の数値が残っていても一旦トレードを終了し、再開する時は数列の数値をリセットして数列を最初の状態に戻す事で一気に大きな損失を負うのを避ける事をお勧めします。

一般的に破産を回避する為に1日あたり、又は1回あたりの損失は証拠金の3%までとするのが望ましいと言われております。

モンテカルロ法を使用する場合は5連敗した時点での損失が証拠金の3%以下になる様に損切り値幅とポジションサイズを調整する事をお勧めします。

【調整例】

数列は「1・2・3」でスタート

証拠金100万円

「ドル円」で決済値幅10銭

上記の条件の場合は5連敗するとトータル損失が3万円となって証拠金の3%のマイナスとなります。

1回目 ポジションサイズ:4

損切り -4000円

次回「1・2・3・4」

2回目 ポジションサイズ:5

損切り -5000円

次回「1・2・3・4・5」

3回目  ポジションサイズ:6

損切り -6000円

次回「1・2・3・4・5・6」

4回目 ポジションサイズ:7

損切り -7000円

次回「1・2・3・4・5・6・7」

5回目 ポジションサイズ:8

損切り -8000円

終了

トータル損失 -30000円

5連敗する確率は32分の1です。つまり32回中31回は5連敗しません。31回で5連敗した場合の損失である3万円を超えればトータル損益はプラスになります。数列 「1・2・3」からのスタートならば1セット4000円以上プラスで終われますので4000円で計算しても4000円 × 31で124000円のプラスとなります。3万円を引いても94000円プラスです。

モンテカルロ法は損切りで数列を1つ増やして利食いで数列を2つ減らします。これは勝率50%ならば数列が減る速度の方が早く、連敗が続いた状態からでも数列を全て消す事は然程困難ではないという事です。

31回全てを数列を消しきるまでやらなくても8セットやれば32000円以上の利食いとなって3万円の損失を取り戻せます。残り23回は±0で終えたりしてもトータル損益をプラスで終える事が出来ますので然程ハードルは高くない事がお分かり頂けるでしょう。

この条件でも難しいとお考えでしたらポジションサイズを小さくすれば連敗に耐えられる回数が多くなるのでより簡単にトータル損益をプラスにする事が出来ます。

例えばポジションサイズを上記の【調整例】の半分にすれば8連敗が証拠金の3%のマイナスとなり、許容出来る最大の連敗が発生する確率は256分の1まで低下します。

 

 

 

#この記事は筆者(tetsuryu)の独自解釈であり内容の正確性を保証するものではありません。