パラボリックは、チャートに放物線のライン又はドットを表示して売買のタイミングを測るテクニカル指標です。このライン又はドットの事を「SAR」(ストップ・アンド・リバース)と呼びます。
TradingView提供のチャート
パラボリックはトレンドフォロー型のテクニカル指標とされており、トレンド相場では良く機能する一方でレンジ相場だと上手く機能しない事が多くなります。
一般的にはSARを抜けた時に途転するという使い方をしますが、この記事では途転手法(順張り)に加えて、トレンド相場では上手く機能しない事を逆手に取ったレンジ相場での逆張り手法の解説も行います。
#途転とは「買いポジションを決済して直ぐに売りエントリーする」又は「売りポジションを決済して直ぐに買いエントリーする」という意味です。
FXは他の投資対象と比較してレートが一方向へ大きく動き続ける事が稀であり、6割から7割がレンジ相場と言われておりますので、レンジの逆張り手法が有効に機能する機会が多いと言えます。
【目次】
【テクニカル指標の設定値】
この記事の解説で使用しているテクニカル指標の設定値は以下の通りです。
「パラボリック」
初期値 0.02 最大値 0.2 加速因子 0.01
「ボリンジャーバンド」
基準線 20
「MACD」
短期EMA 9 長期EMA 19 平滑シグナル 9
【順張り】
SARを抜けた時に順張りで決済・エントリーする手法です。トレンド転換やトレンド継続時の順張りで使用します。
ローソク足のチャートパターン(特に三角保合い)と併用する事や勢い良くSARを突き抜けた時を狙うのがコツです。
①【三角保合いのブレイクとSARを抜けた事が確認出来る時】
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②【買い注文を出す場合、ボリンジャーバンドの基準線が下向きでローソクが勢い良く上昇してSARを抜けた時】
連続で陽線が出現した場合や大陽線が出現してSARを抜けた時がチャンスです。
売り注文を出す場合、ボリンジャーバンドの基準線が上向きでローソクが勢い良く下落してSARを抜けた時。
連続で陰線が出現した場合や大陰線が出現してSARを抜けた時がチャンスです。
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③【買い注文を出す場合、上昇トレンド発生時に一旦大きめに下落するも下落前の高値とSARを抜けて上昇した時】
一旦大きめの下落は、ボリンジャーバンドの基準線付近までローソク足が下落している事を目安とします。
売り注文を出す場合、下降トレンド発生時に一旦大きめに上昇するも上昇前の安値とSARを抜けて下落した時。
一旦大きめの上昇は、ボリンジャーバンドの基準線付近までローソク足が上昇している事を目安とします。
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【逆張り】
SARに到達した後に反転するタイミングに合わせて決済・エントリーする手法です。
注意すべき点は注文を出す方向と反対方向へレートの変動に勢いがある時は避ける事とSARに到達した瞬間に決済・エントリーするのではなく、反転し始めてから決済・エントリーする事です。
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①【ボリンジャーバンドの基準線が水平か水平に近い状態で、±3シグマが拡散していない時、収縮している時。】
上記の画像のボリンジャーバンドの±3シグマ(黒矢印で指している線)を見ると収縮している事が分かります。
青〇で囲んだ所では売りを狙い、赤〇で囲んだ所では買いを狙います。
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②【買い注文を出す場合、ボリンジャーバンドの-3シグマを下抜けしている時】
売り注文を出す場合、ボリンジャーバンドの+3シグマを上抜けしている時。
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③【MACDの短期EMAと長期EMAが重なっているか、大きく乖離せずに揉み合いとなっている時。】
MACDの赤〇で囲んだ所では短期EMAと長期EMAの乖離が大きい事に加えて揉み合いではなく下落し続けております。この時にSARに到達(ローソク足の赤〇で囲んだ所)した後、反転し始めた時に逆張りで買っても赤矢印で示している様に上昇するどころか下落するリスクの方が高くなります。
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#この記事は筆者(tetsuryu)の独自解釈であり内容の正確性を保証するものではありません。