テツリュウトレーディング

FX・CFDで勝つ為に必要なものはここにあり!

FXのブレイクアウト手法をマスターする

ブレイクアウトが発生した際に順張りでエントリーする事で短時間で大きな含み益になったり、トレンドの初動に乗る事に成功して大きな値幅の利食いを狙う事が出来ます。しかしFXの6割から7割はレンジ相場と言われている事やブレイクアウトが長続きするトレンドを発生させる事は稀である事から、闇雲に高値圏での買いや安値圏での売りでエントリーしても単純計算では3割から4割は失敗しますし、成功しても失敗分の損失を取り戻せるだけの値幅を利食い出来る可能性は低く、トータル損益がマイナスになりがちです。

ですがもし高確率で事前に大きな値幅の変動や長続きするトレンドが発生するブレイクアウトを見極める方法があるとしたらどうでしょうか。

今回の記事ではブレイクアウトの発生確率が高まっている状況の見極め方と発生した際に大きな値幅の利食いが出来る可能性が高いかどうかの判断方法をお伝えします。

いずれの判断材料も1つの情報だけで考えるより複数の材料を複合的に用いると確度が上がります。

 

 

 

 

【ブレイクアウトの発生確率が高まっているかの判断基準】

ブレイクアウト発生のタイミングに合わせてエントリーすべきかどうかの判断材料を列挙します。

【オーダーを確認する】

大口のオーダー状況を見て現在のレートから近いレートに大規模なストップロスオーダーが存在する場合はそのストップロスを付ける方向へレートが動く事はよくあります。例えば現在のレートが145.4で145.2に「ストップロス売り非常に大きめ」のオーダーがある場合は下方向へブレイクアウトが発生したら145.2を目指して下落に勢いが付く可能性が高いという事です。

オプションカットがある場合はそのレートに引き寄せられる傾向があります。つまりそのレートから大きく乖離し難いという事であり、オプションカットがあるレート付近ではブレイクアウトの可能性が低下します。

大口のオーダーが無い間隔が大きい程、短時間で一方向へ大きくレートが動く可能性が高まります。動いている方向と反対方向の注文によってレートの変動を妨げられる可能性が低いからです。

以下の2枚の画像をご覧ください。

ドル円リアルタイムオーダー売り厚め

このオーダー状況だと145.5から上方向へのブレイクアウトを狙って買いエントリーで儲けるのは困難です。

1枚目のオーダー状況の画像では145.5から上に売りオーダーがびっしり入っております。これでは145.5から上にはスムーズに上昇する可能性は低くなります。

 

ドル円リアルタイムオーダー少なめ

このオーダー状況ならば145.5から上方向へのブレイクアウトを狙って買いエントリーで儲けるのは比較的容易です。

逆に2枚目のオーダー状況の画像では現在値の145.4より上は147.5に到達するまでは大口のオーダーがありません。これなら147.5に到達するまではスムーズに上昇する可能性が高くなります。

【ブレイクアウトし易い時間帯・し難い時間帯の把握】

欧州の取引所が開場している時間帯はトレンドが継続し易くブレイクアウトも起き易い傾向があります。

逆に欧州の取引所が開場する前の日本の取引所が開場している時間帯はレンジ相場になり易い傾向があります。

欧州の取引所が開場している時間帯であってもアメリカの取引所開場時の急変動を警戒して取引が控えられる事で値動きが鈍くなる事があります。ロンドン取引所が開場してから約2時間後にこの傾向が出る事が多いです。

欧州時間(夏時間14:30~21:00、冬時間15:30~22:00)

ロンドン時間(夏時間16:00~1:00、冬時間17:00~2:00)

FXの取引時間は固定ではなく、上記に記された取引時間は目安です。いずれの時間も日本標準時での表記となっております。

【レート変動の勢いに注目】

ローソク足の大きさとレート変動の頻度に注目。短期トレードの場合はレートパネルを見て「レートの上昇頻度とその値幅」を「レートの下落頻度とその値幅」と比較して明らかにどちらか一方の勢いが強いと判断出来る時にチャートを見て安値や高値の水平線を抜けた時に順張りでエントリーすると一気に含み益が増えるという結果になる可能性が高いです。

【トレンドラインからの乖離】 

連続で陽線を付けて上昇し、それまで引けていたサポートラインにより角度の大きい右肩上がりのサポートラインが新たに引ける場合はダマシの少ないブレイクアウトが発生し易くなります。

ボリンジャーバンドの基準線が上向きであり、+3シグマが拡散している最中である時は確度が上がります。

トレンドラインから乖離して上昇

青線がそれまで引けていたサポートライン赤線が新たに引けるサポートライン黒水平線が高値の水平線です。ボリンジャーバンドの基準線が上向きであり、+3シグマが拡散している事が分かります。高値の水平線をブレイクして上昇し、その後はブレイク前の水準に戻る事無く上昇基調が続いております。
TradingView提供のチャート

上方向のブレイクアウトを例に説明しましたが、下方向のブレイクアウトの場合でも向きが逆になるだけで同じやり方が通用します。

 

 

 

【以下の項目がブレイクアウト後のトレンドの継続し易さ又はブレイクアウト後の値幅の大きさに影響します】

条件を満たせば一回の決済で大きな値幅の利食いが狙えます。

【薄商いであるかどうか】 

薄商い、つまり取引量が少なくオーダーが乏しい状態の時は比較的少量の注文であってもレート変動が大きくなり易くなります。反対方向の注文によってレートの変動を妨げられ難いからです。

中々レートが動かない状態が暫く続いた後に俄に大きく動き始めた時は押し戻りを付けずに動き始めた方向と同じ方向へどんどん動いて行くという確率が高い時です。

【市場が強い関心を持っている情報の明確な方向性の変化】

市場の主な関心事は主要国の中央銀行の金融政策です。特に金融の中心地であるアメリカの中央銀行FRBの金融政策は非常に注目されております。ファンダメンタルズ分析の観点から考えたトレンドが長く続くかどうかは情報の織り込み度合いとサプライズの度合いで考えます。

FRB議長の発言とそれに関連性の高い米経済指標を例に解説します。

仮に最近のFRB議長が以下の様な発言をよくしていたとします。

①「インフレの抑制が最重要項目。更なる利上げの用意がある。」

この発言の場合はインフレ度合いを判断出来る経済指標である「CPI」や「PPI」などが注目されますが、既に何度も同様の発言をしていた為、織り込み済みであり、余程の専門家の予想や前回数値からの大きな乖離がなければトレンドが長く続き難く、大きくレートが動いたとしても短時間だけで全値戻しが起きる事もあります。

織り込み済みの場合だとトレンドが長続きし難い理由はこれから新規でポジションをとるのでなく既にポジションをとっており決済のタイミングを見計っているからです。サプライズ性に乏しく想定の範囲内の情報しか出て来ないのであれば買い増しする意義が薄くポジティブな情報であっても買いが続かず、寧ろ材料出尽くしという事で売られる事もあります。

では最近の発言と明らかに事なる発言をした場合はどうでしょうか。FRB議長の発言が①「インフレの抑制が最重要項目。更なる利上げの用意がある。」から以下の様に変化しました。

②「アメリカの失業率の悪化は深刻である。雇用の安定化を第一とし、緩和的な金融政策を実施する。」

この発言の場合は「失業率」や「失業保険申請者数」などの雇用の観点から見た景気の良し悪しを判断出来る経済指標が注目されます。①の時と異なる点は新しい情報なのでまだ市場は充分に織り込んでおりません。市場参加者は②の発言の裏付けとなる続報を注目して待っている状態です。待っている間に緩和的な金融政策路線への政策変更に期待して新規のドル売りが断続的に行われてドル売りトレンドが発生します。既に売っていたのではなくこれから売るのでトレンドが継続します。

上記の様に要人発言の内容に今までの内容と明確な変化が現れた時などの市場参加者の想定と大きく異なる新しい情報が出た時が大きな値幅を伴うトレンドが発生し易い時です。

【ポジションの偏りを意識する】 

買いポジションの決済は売り注文、売りポジションの決済は買い注文です。FXは買い注文が入ればレートが上がる、売り注文が入ればレートが下がる。注文数量が多ければ多い程変動幅も大きいという仕組みです。

ポジションが大きく偏っている時は偏っている方向と反対方向(買いに偏っている時は下落、売りに偏っている時は上昇)へレートが大きく動き易く、偏っている方向(買いに偏っている時は上昇、売りに偏っている時は下落)へはレートが大きく動き難いという特徴があります。

従ってジションの偏りが大きい時を狙ってポジションの偏りと反対方向のブレイクアウト発生時に順張りでエントリーすれば含み損が増える方向へ大きく動くリスクは低く、含み益が増える方向へ大きく動く可能性が高いと言えます。

FX業者が公開しているリアルタイムの売買比率を見るとポジションの偏りが簡単に把握出来ます。みんなのFXのポジションブックを見るのがお勧めです。

【大量の損切りが出ている最中】

FXで最も大きくレートが変動する時は大量の損切りが出ている時です。ならば大量の損切りが出ている最中の特徴を把握して順張りでエントリーし、特徴が見られなくなったらすかさず決済するという手法が有効であると言えます。

【大量の損切りが出ている時の特徴】

以下の5つが確認出来る時は大量の損切りが出ている可能性が高いです。

①押し戻りを殆ど付けずに一方向へ急激に動く。

②スプレッドが安定しない

③レートの変動頻度が非常に多い。

④既に非常に高いレートなのに暴騰する( 既に非常に低いレートなのに暴落する)。

⑤ファンダメンタルズで考えて妥当な方向へ急激に動いている。

例えば円安局面の時にドル円・クロス円が急騰。2024年7月のドル円161円台後半への急騰がその好例です。

突発的なサプライズを除けばファンダメンタルズで考えて妥当な方向と反対方向へ大量の損切りが出ている事が要因の急騰・急落はあまり見られません。

【損切りが終わって逃げ遅れない為に】

以下の5つのいずれかの状態になったら速やかにポジションを決済する事で天井買いや底売りをして高額の含み損を抱えてしまうのを回避しましょう。

①急騰後に長い上ヒゲ(急落後に長い下ヒゲ)が出た。

②値動きが鈍くなった。

③ヘッドアンドショルダーなどのトレンド反転を示唆するチャートパターンが出現した。

④それまで勢いよく動いていた方向と反対方向へ大きなローソク足が出現した。特にその次のローソク足も同じ方向であった場合や急騰前の安値を下抜け(急落前の高値を上抜け)した時。

⑤十字線が出た。

【レンジが長く続いているかどうか】

レンジが長く続くという事は多くの人達に同じ高値圏と安値圏が意識されているという事です。何度も反転しているので今度も反転する事に期待して逆張りでエントリーする人達が沢山現れます。これは同じ水準に大量のポジションが蓄積するという事です。高値圏なら売りポジション、安値圏なら買いポジションが蓄積します。

この状態でレンジブレイクすると含み損のポジションが利食い出来ずに大量に残る事になります。そうなると再びブレイク前のレンジ相場に戻る可能性はかなり低くなります。

含み損のポジションを持っている人達がブレイク前の水準に戻らないと判断して損切りし始めると損切りの連鎖によって急速にブレイク前の水準から乖離する方向へレートが動きます(上方向にブレイクした場合は急上昇、下方向へブレイクした場合は急落する可能性が高い)。

 

 

 

#この記事は筆者(tetsuryu)の独自解釈であり内容の正確性を保証するものではありません。