- 【ロンドンフィックスとは】
- 【ロンドンフィックスに適した通貨ペア】
- 【ロンドンフィックスの値動きに傾向がある時期】
- 【NYオプションカット】
- 【市場センチメント】
- 【ポンドのドルやユーロと比較しての強弱】
- 【まとめ】
【ロンドンフィックスとは】
ロンドンフィックスとはロンドンフィキシングとも呼ばれ、日本時間の夏時間は午前0時、冬時間は午前1時に金(ゴールド)のスポット価格を発表する事です。
金融機関が顧客との為替取引を行う為のその日の固定された為替レートの発表もあります。
欧州の夏時間 3月最終日曜日~10月最終日曜日
上記以外の時期は冬時間です。
スポット価格とは一回の契約毎に決定される取引価格の事です。
【ロンドンフィックスに適した通貨ペア】
ユーロポンドとポンドドルがお勧めです。
ポンドが取引の中心となり、イギリスが地理的にユーロ圏と近い事からユーロポンドの取引が活発になる事に加え、金の売買はドルで決済するのが一般的である事からポンドドルの取引量も多くなります。
【ロンドンフィックスの値動きに傾向がある時期】
大口が仕掛けて来る事が多いのは月末、特に期末(3月末・6月末・9月末・12月末)です。イギリスの輸出企業の決算の都合で大量のポンド買いが出易い傾向があります。
ロンドンフィックスが終了した事でポンド買い要因が無くなってそれ以上ポンドが上がらないと判断された事による高値でポンドを売ろうと待ち構えていた勢力による纏まったポンド売りによりロンドンフィックス終了後はそれまでのポンド買いのトレンドが反転してポンドの下落が起き易くなります。日本時間の夏時間は午前1時、冬時間は午前2時頃に世界最大規模の為替取引所であるロンドンの取引所が閉場する為、その後の時間帯はそれまでより薄商いとなる事やポンド中心の取引ではなくなる可能性が高くなる事からロンドンフィックス終了後のトレードは夏時間は午前1時、冬時間は午前2時を目処に終了出来る様にそれまでにポジションを決済しておきましょう。
ロンドンフィックスの時間帯はポンド買いメインのトレードを行うのがお勧めではありますが、ロンドンフィックス以外の要因による為替レートの変動も無視出来ず、主に「NYオプションカット」、「市場センチメント」、「ポンドのドルやユーロと比較しての強弱」の3つを考慮してポンド買いに向かうべきかを判断します。
【NYオプションカット】
NYオプションカットは日本時間の夏時間は23時、冬時間は午前0時までを期限としたオプション取引です。
アメリカの夏時間 3月の第2日曜日~11月の第1日曜日
上記の時期以外は冬時間です。
NYオプションカット及びガンマトレードに関する詳しい解説は以下の記事をご覧ください。
規模が大きく特に意識される通貨ペアはドル円とユーロドルです。カットオフタイムまで現在のレートがオプションレートより上であれば売り、下であれば買いという動きになり易い傾向があります。この動きに合わせてユーロポンドの売りやポンドドルの買いを狙います。NYオプションカットを利用してエントリーを狙うタイミングはNY時間開始(夏時間は21時、冬時間は22時)からカットオフタイムまでとなりますが、その後もポンドの上昇トレンドが続くのであれば積極的にポンド買いを狙ってもOKです。
以下の方針でタイミングを計ります。いずれも本日期限の規模の大きいオプションレートがある前提で解説します。
【ユーロポンドの売りを狙う場合】
①ユーロドルのレートがオプションレートより高けばユーロが売られると考えます。
ドルを含まない通貨ペアとしてはユーロポンドが取引量1位であるが多い事に加え、ロンドンフィクスではポンドの取引量が通常より多くなっているので、ユーロ売りはポンドの上昇となります。
②ドル円のレートがオプションレートより低くければドルが買われると考えます。
全ての通貨ペアで最も取引量が多いのはユーロドルであり、FXは基軸通貨であるドルを中心に考えるのでドル買いはユーロドルの売り、つまりユーロの下落となります。
①と②の条件が揃えば強いユーロ売りとなってユーロポンドが上昇し易い状況であると言えます。
【ポンドドルの買いを狙う場合】
①ユーロドルのレートがオプションレートより低くければドルが売られると考えます。
ユーロドルの上昇はドル売り・ユーロ買いです。全ての通貨ペアで最も取引量が多いのはユーロドルですので他の通貨ペアの値動きに引っ張られて動くより直接取引されて動くので、ユーロドルの上昇が最も強くドル売りに影響します。NY時間ではこの傾向が特に顕著になります。
②ドル円のレートがオプションレートより高ければドルが売られると考えます。
ドル円は取引量2位の通貨ペアであり、こちらも売りが入ればドルの下落に大きく貢献します。
①と②が揃えば強いドル売りとなってポンドドルが上昇し易い状況であると言えます。
【市場センチメント】
現在のFX参加者の考えがリスクオンなのかリスクオフなのかを見極めます。
地政学リスクは主要な貿易国との関係が良好であるかどうかを確認します。
アメリカはカナダ、メキシコ、中国。
ユーロ圏はアメリカ、中国、スイス。
イギリスはアメリカ、ドイツ、フランス。
貿易以外では自国や隣国の戦争・内戦・テロ、大規模な自然災害の有無、政府高官のスキャンダルやデモなどの政治的混乱の有無を確認します。
経済指標は主にGDP、失業率、雇用統計、小売売上高に注目します。
金(ゴールド)はリスクオンでは売られ易く、リスクオフでは買われ易いという特徴があります。金の決済はドルで行うのが一般的である為、リスクオフでは金を買う為にポンドよりもドルが買われ易くなります。逆に言えばリスクオンだとドルの方が買われ易いという傾向にはならず、ロンドンフィックスに於いてはポンド買い優勢になり易いのです。
つまり期末でリスクオンであればポンド買いです。
【ポンドのドルやユーロと比較しての強弱】
FRB(アメリカの中央銀行)、ECB(ユーロ圏の中央銀行)、BOE(イギリスの中央銀行)の金融政策を比較してポンドがドルやユーロより買い易い地合いであるかを確認します。為替レートに強い影響を与える政策金利の決定や、政策金利を決める判断材料となるインフレ指標や中央銀行の要人発言をチェックします。CPI(個人が物やサービスに支払う物価)、PPI(企業間取引の物価)、平均時給の数値が重要です。これらの数値が高い程利上げされ易くなり、その国の通貨のレートが上がる傾向があります。アメリカやユーロ圏よりもイギリスの経済指標の数値が前回発表時や専門家の予想より高くイギリスの通貨であるポンドのレートが上がり易い時が狙い目です。
つまり期末でポンドが対ドルや対ユーロで強ければポンド買いです。
【まとめ】
ロンドンフィックスとは金のスポット価格とその日の固定為替レートの発表。
ロンドンフィックス時のお勧め通貨ペアはユーロポンドとポンドドル。
期末はポンドが上昇し易い。
NYオプションカット、市場センチメント、ドル・ユーロと比較してポンドが強いかを確認し、ポンド買い要因が揃えばロンドンフィクスに向けてポンド買い。
ロンドンフィックス後は短期ポンド売り。
#この記事は筆者(tetsuryu)の独自解釈であり内容の正確性を保証するものではありません。